エフェクターとは、ギター(ベースなど)の音を歪ませたり、揺らしたり、響かせたりと様々に音を変化させる機械(機材)のことを言います。
今回はその中でも歪みに着目してみたいと思います。
歪み(俗に言うダイナミクス系)は、歪みの具合によって大きく3種類に分けられます。
皆さんの好みの歪みは果たしてどのタイプでしょう?
暖かみがあり他に比べて軽めの歪みになります。
コードストロークでも1音1音が潰れずはっきりと音が出せるので、コードカッティング等にも向いています。
クリーンに近いようなクランチトーンから比較的深く歪んだロック的な音まで幅広く作れるため、歪み系エフェクターの中でも最もポピュラーなエフェクターです。
◇使い方
アンプ側でバッキング用のクリーントーンやクランチサウンドを設定し、エフェクターをONにして音作りを行います。この状態でエフェクターのON/OFFの音量を同じくらいに設定します。
※ソロ用のオーバードライブサウンドの場合は、バッキングより少し大きめの音量に設定してあげます。
音抜けが悪いと思ったら、トーンを少し上げてあげると解消しますが、上げすぎると耳障りな音になるので注意して下さい。
◇ちょいワザ
ブースターとしての使い方もできます。
上記図のようにオーバードライブを2台使用して、アンプ側(①)で音を作り、ギター側(②)をブースターとして使うことも可能です。
※ただし、オーバードライブに限らずエフェクターを繋ぎすぎると音抜け・音痩せがひどくなるので注意しましょう。
当店では【BOSS/OD-1,OD-3,OS-2,BD-2・HAO/Rumble MOD・Fulltone/FULL-DRIVE2】が、ご利用いただけます。
歪み系エフェクターの中でも深い歪みを作れるエフェクターです。
オーバードライブに比べるとコードストローク等で1つ1つの音が潰れて埋もれやすいためコードカッティングやアルペジオには向きません。
なので、主にギターソロや重厚なリフを刻む時に使用します。
非常に歪が強い分、深く歪ませすぎると音が細くなる傾向が強いので、歪ませすぎには注意が必要です。
◇使い方
基本的にはオーバードライブの音作りと一緒で、アンプ側で音(クリーントーン)を作り、ソロ用の音色やディストーションによるバッキングの音色をエフェクターで作るのが一般的です。
歪ませすぎた音でボリュームを上げると細くてうるさい音の音量を上げるだけになってしまうので、歪み具合やボリュームの調整は、オーバードライブ以上に慎重に行って下さい。
◇ちょいワザ
オーバードライブと同じように、ディストーションもブースターとして使用出来ますが、ONにしただけでゲインが稼げるので、歪みはほとんど上げなくてもOKです。
当店では、【BOSS/DS-1、DS-2・Proco/RAT2】が、ご利用いただけます。
歪み系エフェクターの中で、最も深く歪むエフェクターです。
非常に倍音成分が多く含まれ、芯がある音と言うより潰れたような音がします。
ギターソロやリフに使いますが、かなりクセのあるエフェクターで、荒々しい歪み方をします。
各メーカー(機種)によって歪みの質が違い、オーバードライブのような感じのものもあれば、かなり耳につく歪み方をするもの、音程が分かりにくくなるほど歪むものもあります。
◇使い方
こちらも基本的には上記2種類の歪みの使い方と一緒ですが、アンプでクリーントーンを作り、ファズによる音色をエフェクターで作りましょう。
音量はON/OFF時で同じになるようにセッティングし、音色の変化による音圧のバランスも考えましょう。
※ファズは、音が潰れやすいため音圧が基本的に下がりがちです。
◇ちょいワザ
ファズは、歪みや回路がオーバードライブやディストーションとは違いますので、ブースターのような使い方は出来ません。
ちょいワザってことではないのですが、コードの分離感は悪(無)いので、グランジのような「グシャッ」とした音でのストロークやバッキングなど、暴れるような音でかつ前に出過ぎないような音を狙って使用すると良いのでは無いでしょうか?
当店では、【BOSS/MT-2,FZ-2・ELECTRO HARMONIX/BIG MUFF】が、ご利用いただけます。
歪みとは少々異なりますが、折角なので説明させていただきます。
単純に言えば、ギターからアンプに送られる電気信号を増幅するエフェクターです。
ソロの時に音量を持ち上げたり、バンドサウンドでギターの音が埋もれないために使っている場合もあります。
オーバードライブ、ディストーションの時に述べた『歪み系エフェクターをブースター代わりに使う』ことも可能ですが、元の歪みに対してある程度の歪みもプラスされるわけですから、上記のやり方ではそこを考慮した音作りが必要になってきます。
※クセの少ない(歪み系)エフェクターをオススメします。
最近では、クリーントーンのままエフェクターへの入力信号だけを上げるクリーンブースターと呼ばれるブースターもありますので、そちらの方が使い勝手がいいと思います。
当店では、【Xotic/ep booster】が、ご利用いただけます。
≪最後に≫
「エフェクターを繋ぐ順番はどぉ~したらいいのですか?」と言う質問を受けることがあります。
基本的には『ダイナミクス(歪み)系→空間系』と言うのがセオリーとしてあるのですが、それが絶対ではないと思います。
まずは「自分がどの様な音を作りたいか!」を知るところからがスタートです。
例えば、オーバードライブとディレイがあったとしてセオリー通り
『オーバードライブ→ディレイ(歪ませた音にディレイをかける)』
なのか、
『ディレイ→オーバードライブ(ディレイ音を歪ませる)』
2つのエフェクターの順番をかえるだけで出てくる音はまるで違った音になると思います。
こうやって考えるとエフェクターを使っての音作りもまた変わってくるのではないでしょうか?
今回は【歪み系】をメインに説明していきましたが、時間をみてその他のエフェクターの説明もしていきたいと思います。
※文中にも書きましたが、エフェクターを繋ぎすぎると音抜け・音痩せがひどくなるので注意しましょう。