最近、企画のせいなのか、こんな質問をよく受けます。
『最終的にCDにおとした時に【音圧】が低い』
『(市販されている)CDより音が小さい』等々・・・。
そこで今回もまたザックリと音圧を上げる方法を説明したいと思います!
まず始めに【マスタリング】の流れから説明したいと思います。
【マスタリングとは?】
厳密に言うとマスタリングとは、プレス工場でCDをプレスするのに使う「ダンパー」という型を作る作業のことで、マスタリングエンジニアが行っている作業を「プリマスタリング」と言います。
とは言え、この両方をひとくくりにして『マスタリング』と読んでしまっても問題ないと思います!
【プリマスタリングの作業(流れ)】
簡単に説明すると、ミックスが終わってバウンスした2ミックスに対し、EQやコンプをかけて音圧や質感を整えて曲間を決めてからプレス工場に送るマスターを作る作業(流れ)となります。
因みに、マスタリングを行う際に2つの方法があります!
○マスタリングソフトを使う場合
○DAWソフトを使う場合
当店では、後者のDAWソフトで作業しておりますが、ライティングソフトとしてPeak6を使用しております。
※Peak6はマスタリングソフトとしてお使いになれます!!
【BIAS/Peak Pro6】
■波形編集/マスタリングソフト
■最高32-bit/10 MHzでレコーディング
■カスタマイズ可能なツールバー及びキーボード・ショートカット
■ジョグ/シャトル/テープスタイルのスクラブ機能
■高速なテイク及びトラック・アッセンブリーに最適化された波形プレイリスト編集
■RAMベースの超高速編集及びプロセッシング ? ハード・ドライブへのアクセス・ディレイが皆無
■他に類を見ないループ・クリエイション・ツール
■歪みを回避したビット低減を実現するBIAS & POW-rのディザリング搭載
■AU/VSTプラグイン・サポートとVboxエフェクト・ルーティング・マトリクス
■CD-TEXT、クロスフェードなどを備えた、Red Book規格に完全準拠するCDのライティング
っちゅう事で、早速「簡単に、ザックリ!」説明します!
※ここから説明するプラグインの順番&メーカーは、あくまでも参考ですので、繋ぐ順番はご自身で試してみて下さいm(__)m
①EQで質感と空気感を補正する
【WAVES_REQ6】
サウンドの質感に関しては、ミックスの時と同様にEQで整えます!
ただし、2ミックスの音源を扱うマスタリングでは、ボーカルの音域を上げるとそれと同時にスネアの音量も上がってしまうので、特定のパートだけを基本的にやめておきましょう!
※私は、とある方法でやっちゃいますが・・・(^^ゞ
なので、ポイントとなる周波数帯域をしっかりと把握したうえで、曲のバランスを崩さないように、±1dB程度のわずかな上げ下げで質感をコントロールしましょう!!
②コンプで音量のピークを整える
【WAVES/C1】
マスタリング時のコンプ処理で上手く活用していただきたいのが、先日から何度も伝えてる『サイドチェイン機能』です☆
通常、2ミックスの音源にコンプをかけると、アタックの強いキックが鳴ったタイミングで他の全ての音に対してコンプが動作してしまい、その都度、曲全体に音圧が動作してしまうので、サイドチェインでローカットフィルターをオンにしておけばキックやベースといった低音の楽器にコンプが対応しなくなり、中高域のピークにのみコンプをかけることが可能になります!
※サイドチェインは、120Hz以下のローカットをオンにします。
【マルチバンドコンプを使う場合】
【McDSP/MC2000】
普段使っているコンプにサイドチェイン機能が付いていない場合は、このマルチバンドコンプをオススメします!
マルチバンドコンプは帯域ごとにコンプがかけれるので、低域にコンプがかからないように設定すれば、上記の設定と同様の効果を得ることができますよ☆
③リミッターで音圧を稼ぐ
【Digidesign/MAXIM】
EQやコンプによる各曲の音質調整が済んだら、仕上げにリミッターを使って曲全体のレベル調整を行いましょう!
「コンプで不要なピークを抑えたり、極端にレベルの小さい部分を持ち上げたのでは?」
と、お思いの方!
リミッターで、CDという器の中にできるだけ大きなレベルで曲を収めるための処理を行います!
それと、音量レベルを確実に0dB以下に抑え込める、レベルが0dBを超えた時に発生するデジタルノイズを防ぐこともできます!
≪裏ワザ≫
複数のリミッターを使って少しずつ音圧を上げる方法があります!
【WAVES/RCompressor】
【WAVES/L1】
私の場合、MAXIM、RCompressor、L1などリミッターをインサートして、それぞれで+1~2dBずつ持ち上げて、合計で+5~6dBほどの音圧を稼ぎます!
プラグインのクセが付きにくくなり、より色付けの少ない自然な質感に仕上げられます!
おまけ的な、補足・・・
マスタリングだけではなく、その前段階の2ミックスにも言えることですが、最後にプラグインを1つずつオフ(バイパス)にしてみて、効果が感じられないモノは外してしまった方がいいと思いますよ!
そうした方が余計な音声処理を減らすことができ、音質的にも有効だと思います☆
今回紹介しているプラグインは、私が普段使っているプラグインなので、決して「これじゃなきゃダメです!」ってモノではありませんm(__)m